仮想通貨で見る夢

巷ではビットコインが流行っているらしい。

5年ほど前の夏、ちょうどアプリの売上もピークを迎え、人気が落ちてきていた。新しいアプリのアイデアもなく、行き詰まりを感じていた。

アプリの売上で収入が増えたため、節税対策として株、イデコ、企業共済など調べていたため、仮想通貨にも興味を持ち始めた。

 

仮想通貨がなんなのかよく分からないまま、仮想通貨FXに手を出した。当然チャートの見方もたいして分からなかったので勝ったり負けたりしていた。これはだめだと悟り、プラマイゼロになった時点で引き上げることにした。

次に興味を持ったのはICOだ。独自の仮想通貨(トークン)を発行するために資金を集め、早く購入するほどボーナストークンがもらえるといったものだ。この頃は、ICOバブル状態であったため、ホワイトペーパーの内容がまともで、発行後に上場すれば利益になるという触れ込みだった。

私はいくつかICOで購入したが、規制が入り雲行きが怪しくなっていた。結果的にこのときに買ったトークンのほとんどがマイナスになってしまった。

 

なにか確実に勝てる方法がないか探っていると、アービトラージという方法を見つけた。これは取引所間の価格差を用いて利益を上げる方法だ。

例えば、取引所Aで100円、取引所Bで120円だった場合、取引所Aで買って取引所Bで売れば20円の利益が出る。これを繰り返すことで確実にプラスにしていく方法だ。

ただしこの価格差は、一時的なもので数秒、数分ですぐに埋まってしまうので素早くおこなう必要がある。そこでアービトラージの売買を自動で行うプログラム(ボット)を開発することにした。

 

しかし、国内の取引所ではすでにボットが動いており、ほとんど価格差が存在しない状態であったので、あまり注目されていないアルトコインでアービトラージをおこなうことにした。さらに価格差が生じやすい海外と国内の取引所を利用することで、有利な状況でアービトラージをおこなうことができることを発見した。

海外の取引所ではビットコインやイーサリアム建てでアルトコインとトレードする必要があるため、少し面倒な手続きが必要でやっている人は少なかったように思う。

 

日に日に増えていく仮想通貨に金銭感覚がおかしくなり始めていた。と言っても、数千万くらいなので億り人と比べると大した金額ではない。ただ数字が増えているだけの感覚になり、実感はまるでなかった。

アービトラージのボットがバグって暴走すれば、損するかもしれないが、そんなことどうでも良くなっていた。ただ数字が増えていくゲームを楽しんでいた。

そして、お金が増えていく中で知り合いに言えるわけでもなく、お金を使うわけでもなかった。

 

そうした中、コインチェックのハッキング騒動があってから仮想通貨市場が下火になってしまったため、最初に投資した金額だけ引き上げて辞めることにした。

当時、換金すれば3000万以上にはなっていたが、税金で取られるのも面倒だったし、幸いアプリの売上が良かった時期でもあったので、すぐにお金を必要とすることもなかった。親とも疎遠になってしまっていたため、家を買う目標にも興味がなくなっていた。

 

今となっては1/3以下の価値となってしまったが、このまま昔見た夢の続きを楽しもうと思う。

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