コムドットが人気となった理由を考察してみた

「ねえ、コムドットって知ってる?」何気ない会話の中で質問された。
私はまったく聞いたことはなかったが、どうやらユーチューバーのようだ。

5人組の男性グループで、地元ノリを全国に伝えるべき配信しているとのこと。
私はさっそくそのユーチューバーを見てみることにしたが、これは陰キャの私にはまったく面白いとは思わないものだった。再生して5秒で拒絶反応・不快感がよぎる。なんだろう、このもやもやした感覚は。

ファンの方からは猛烈に批判されそうだが、どの動画も面白さが理解できないものの、いずれの動画も再生回数が100万を超えていることに驚いた。

これがジェネレーションギャップか…?教えてくれた風俗嬢は20代前半である。40歳間近の私には感覚のズレがあるのかもしれない。

しかしながらどうして私には面白さが分からないのか、そしてどうしてコムドットが人気なのか明確に分からず逆に興味がわいた。

 

コムドットの動画をいくつか視聴し、リーダーヤマトが執筆した書籍アイドル2.0も読んだ。書籍の序盤の内容はどうやってここまでチャンネル登録数を増やしたか、リーダー論などが書かれていたが、それほど特異な内容ではないと思った。

 

昔からネットのトラフィック(ユーザー数)を増やす手法としては、ページビューを持ったサイト同士のリンクを交換すること。いわゆる、ユーチューブであれば、ユーチューバー同士のコラボに当たる手法が一般的だ。まず、コムドットがリスナー数を増えた要因は、コラボによる新規リスナーの流入によるものと考えた。

他には投稿頻度である。投稿頻度を固定化することで、視聴リスナーが固定化され、さらにリスナー数を増やすことが可能である。これはニコ生などの生配信でも起こりうる現象であるが、いつも同じ時間に投稿すること、毎日投稿することで固定リスナーがどんどん増えていく。そして動画を視聴するという行為を習慣化させることできるのだ。

他には炎上マーケティングだ。あえて鼻につく動画などを投稿することで、アンチを増やし拡散させることができる。これはマイナス要素にもなりうるので、かなりリスクが高い行為だが、これを上手く利用することで、新規流入を増やすことに成功している。

TikTokの人気を利用して新規流入を増やせたのも大きかった思う。コムドットが人気になったタイミングを見ると、TikTokが流行りだしたタイミングと一致しているように見える。このタイミングで上手くバズり、ユーチューブへ誘導できたことも大きかったと思う。

 

しかし、これだけではここまで人気になった理由は説明できないと思う。いくら新規流入が増えてもコンテンツ自体にまったく魅力を感じなければ、ファンにはなり得ないからだ。

コムドットを初めてみたとき、なんとなくBTSと似ていると思った。恐らくコムドットもBTSを意識している部分はあると思う。容姿がある程度整った5人というキャラクターが上手くファンを惹きつけているように思えた。

 

コムドットの中で安定的な人気動画は、車載で5人が他愛もない事を話している動画のようだ。まずこういった動画を見たとき、人間関係にフォーカスを置いた女子の他愛もない会話の流れを感じとった。企画もののように何をするか完結しているものではなく、彼らの日常についてただ話している動画だ。まるで、彼らの人生を俯瞰的に第三者視点で眺めているような感覚だ。

 

こうした動画を見ているうちに現代のコミュニケーションについて、ふと気になった。本当に親密な関係としてのコミュニケーションとはなんなのかだ。

最近の若者の交友関係を見ると、本当に仲が良いように思え、とても近い距離感に思えた。まるで喧嘩をせずにいかに仲が良いかのアピールをSNSにせっせと投稿する。

しかしこれが本当に親密な関係と言えるのだろうか。昭和の人間な私としては、ふと違和感を覚えた。昭和人間の私からすると、本当に親密な関係とは、言いたいことを言って、時にはぶつかり合って喧嘩するような、まるで家族のような関係性だ。

現代の親密な関係とは、喧嘩もせず、自分の言いたいこと我慢し、表面上の仲の良さを繕っているように見える。

何が言いたいのかと言うと、コムドットは逆に言いたいこと言う、まるで今となっては少なくなった昭和時代の家族のような関係性を動画で表現している。リアルでは、言いたいことが言えないモヤモヤを感じている人達が、理想的な友情関係を追い求めて、コムドットの動画を見ているのではないかと思った。

コムドットは現代の若者に足りないものを提供してくれるコンテンツなのかもしれない。

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